HOME > コラム > 家を建てる > 24時間換気ってなぜしないといけないの?24時間換気の必要性について解説します

24時間換気ってなぜしないといけないの?24時間換気の必要性について解説します

WRITER 荒木 宗誠

2022/11/27

住宅における換気は非常に重要です。
新築住宅においてより快適に過ごすためには、適切な換気システムを構築する必要があります。
そのため、私たちの生活において24時間換気システムはなくてはならないものとして位置付けられているのです。
本記事では、換気システムについて解説します。

24時間換気システムについて

換気システム

24時間換気システムは、常に室内を換気することを目的として常態的に空気の入れ替えを機械を使用して強制的に空気の入れ替えを行うシステムとなっています。
要求性能は、1時間で0.5回以上となっており、単純計算では室内にある空気の50%を入れ替えられることとなっています。
また、換気回数についても厳正な基準があります。

24時間換気は必要?

24j時間換気 必要性

住宅における24時間換気システムは法律で定められており、日本国内において住宅を建築するためには、建築基準法と云う法律を遵守しなければなりません。
日本においては70年以上も適用されている法律ですが、2003年に建築基準法の一部が改正され、建築基準法施行令第20条第8項において設置が義務付けられています。
そのため、住宅に24時間換気システムを設置しなければ法律違反となってしまうため注意が必要です。
なお、法律で定められているからと言って住宅費用が高くなってしまうというデメリットだけではありません。
24時間に渡り住宅内の空気を強制的に換気していることによって空気が循環されていますので、シックハウス症候群などに起因するさまざまな健康被害を回避することが可能となるのです。

24時間換気システムは3種類

換気システム3種類

24時間換気システムは、建築基準法の観点および私たちの健康を維持するためにも必ず必要であるシステムとなっています。
ここからは、24時間換気システムの種類について詳しく解説します。

第一種換気方式

第一種換気方式は、給気口および排気口の各々に対して換気扇を設置し、強制的な換気を促す手法です。
換気には換気扇が必要であり、清潔な空気を室内へ流入させ強制的に空気循環をコントロールします。
また、第一種換気方式では換気扇を使用して外部より取込むキレイな空気が冷却されていた場合、空気に包含される熱のみ抽出することができる熱交換システムを採用することで、空気を暖めることができます。
そうすることで、住宅内の気温が急激に低下することを未然に防ぐことができますので、室内温度環境を一定に保つことができるメリットがあります。
なお、換気方式の仕組みとして給気口および排気口に換気扇が必要となりますので、電気料金が2台分必要となることや、換気扇を設置する台数が増えるためコスト面でのデメリットがあるため注意しなければなりません。
第一種換気方式のシステム上、給気も強制的に実施しているため外部のさまざまな汚染物質等を住宅内に流入させないことを目的として、細目仕上げのフィルターが必要となります。
フィルターは空気循環時において汚れますので、定期的な掃除および交換などの日常的なメンテナンスも必要となります。
また、熱交換システム用にダクトが必要となるケースも存在し、ダクトが必要となればさらにイニシャルコストおよびランニングコストが必要となります。
一方、住宅の条件によっては第一種換気方式を採用しているにも関わらず熱交換システムが存在しないと言ったケースもあるため注意が必要です。

第二種換気方式

第二種換気方式は、給気口に限定して換気扇を設置します。
住宅内へと強制的に空気を取込む一方、住宅より排出される空気は少ないと言った特徴があります。
室内気圧は高くなるため、扉および窓などを開放していても外部のさまざまな汚染物質等が流入しずらい環境を構築することが可能です。
上述したような仕組みであるため、研究所・クリーンルーム・病院などで採用されることが多くなっています。

第三種換気方式

第三種換気方式は、給気口には換気扇を設置しません。
排気口にだけ限定して換気扇を設置するシステムであり、戸建ておよびマンションなどの一般的に住宅に採用されることが多い換気方式です。
上述した第一種換気方式および第二種換気方式とは異なり、全部屋に対して給気口が必要となります。
第三種換気方式の大きな特徴は、住宅内において湿気が溜まりにくい環境を構築できるところにあります。
また、第一種換気方式と比較してイニシャルコストおよびランニングコストも安く抑えられる点もメリットであると言えるでしょう。
一方、熱交換システムはないので清潔な空気は外気温で取込まれてしまうため、冷たい空気や暑い空気がそのまま住宅内に取込まれてしまいます。
そのようなシステムであるため、住宅内の室内温度環境は一定に保ちづらいといったデメリットがあるため注意が必要です。

24時間つけっぱなしで良いの?

24時間換気システムの稼働音が気になることや、電気代節約の観点から24時間つけっぱなしにすることを躊躇される方も少なくありません。
しかし、健康被害防止の観点からも24時間換気システムは稼働し続けている状態が良いと言えるのです。

シックハウス症候群や結露、カビの原因

シックハウス症候群では、さまざまな建築資材等に内包されている化学物質を起因として、頭痛やめまい等さまざまな症状を発症させる健康被害です。
シックハウス症候群は大きな社会問題に発展したことがありますので、建築基準法の改正によって24時間で換気することが義務づけられたのです。
住宅とは、快適に過ごすことを目的として密閉度が高く設計されています。
そのため、住宅内において空気が滞留しやすい環境が構築されていると言え、湿度の上昇に伴い結露が発生しやすいと言えるのです。
発生した結露を起因として、壁および床などが傷んでしまうケースも珍しくありません。
カビおよびダニが発生しやすい環境になってしまうことから、人によっては顕著なアレルギー症状が発症する可能性も否定できないでしょう。
上述したような、シックハウス症候群や結露およびカビなどを防ぐためにも、24時間換気システムは1日中つけっぱなしにする必要があるのです。

まとめ

換気システム

シックハウス症候群など、これまでに多大な健康被害を及ぼしたことに起因して建築基準法が改正された結果、24時間換気システムの導入が義務付けられました。
また、換気を1日中稼働させることでシックハウス症候群のみならず結露やカビの発生を抑制にすることに対しても期待ができるでしょう。
お客さまが新築住宅を購入されるにあたり、是非とも24時間換気システムに対してのご理解を深めて頂けますれば幸いです。

閉じる