どうしたらいい?子どもが勉強する場所について解説します

WRITER 荒木 宗誠

2023/09/05

家造りはついつい大人目線でばかり進めてしまいがちです。しかし、子どもの居る家庭では、子どもにとっても楽しく、過ごしやすい住まいでなければ意味がありません。

子どもが遊びに集中できたり、成長すれば勉強を楽しみながら行える環境を整えておくことにもしっかりと目を向けておきましょう。

家作りのハテナ

いつから子ども部屋は必要になる?

二階建ての場合、二階に寝室や子ども部屋などプライベートな空間を確保する間取りが一般的です。この子ども部屋をいつ頃から活用し始めるのかを考えてみましょう。

幼少期や小学校低学年頃までは親が目の届く範囲で遊んだり、勉強することが多いです。

少し成長し、小学校高学年頃になると、一人で集中して勉強をしたい!と考える子どもが出てきます。中学受験などを考えている場合には、勉強への集中度を高めるために個室を必要とするでしょう。早い子でこの時期に個室を必要としますが、多くは中学生になるのを機に個室の環境を整えることが多いです。

リビング学習は子どもの成績をのばす?

学習UPイメージ

小学校へ進学をするのを機に、子ども部屋に学習机を購入するという家庭は多いでしょう。

しかし、二階の個室で一人で黙々と勉強をするよりも、リビングやダイニングで家族がすぐそばに居る環境で、生活音に囲まれて勉強するリビング学習の方が子どもの学力を向上するといわれています。そのため最近では、高額な学習机を購入するのではなく、リビングの一角に子ども達が勉強に集中できるスタディーコーナーを設けるケースが増えています。

では、リビング学習の魅力とは何なのでしょうか?

まずは、親の目が子どもにしっかりと行き届くことです!

特に小学校に入りたての1年生は、二階の個室で一人で勉強するといっても近くにあるおもちゃに目がいき、勉強への集中力が欠けてしまったり、筆箱で手遊びをしてなかなか宿題が終わらないということも多いです。親も目が行き届かないことで「ちゃんと宿題しているのかな⁉」と不安になってしまいます。

しかし、リビング学習であれば、キッチンで夕飯の支度をしながら、また洗濯物をたたみながらと家事をしながらでも子どもの勉強の様子を見守ることができます。

集中力が欠けているときや、姿勢が悪いときなどは声掛けをすることで、気持ちを入れ替え宿題を行ったり、姿勢を正すことで勉強への集中力をアップさせることにつなげられます。低学年のうちはこのように勉強するときの姿勢や、鉛筆の持ち方、手元部分などのあかるさに親も一緒に目を配り、自室で勉強する際の基礎を身に着けておくと安心につながります。

また、子どもにとっても親から見られているという意識があることで勉強への集中にもつなげられるのです。

親子でリビング学習

次に、コミュニケーションをとりながら円滑に勉強を進められることです!

子どもが勉強している様子を見ていると、分からない問題に直面したとき、最初は必死に思い出したり、考えたりするのですが、それでも答えが分からないと集中力が欠けて、他のことに集中し、脱線してしまうことでなかなか宿題が終わりません。分からない問題をそのままにしておくこともあるのです。これでは子どもの学力の向上につながりません。

しかし、親がすぐそばに居れば、子どもが分からない問題に直面しても、スムーズに質問することができ、効率よく宿題を進められます。

同時に、親は子どもがどのようなことが分かっていないのかを確認することができるのです。宿題にかかる時間や、勉強の進め方を見守ることで、できている部分は褒めて、できていない部分はサポートしながら、円滑に勉強を進める基盤をつくってあげるのです。

その過程で学校の様子や授業の話を子どもと行い、親子のコミュニケーションも大事にできるのです。

スタディコーナー

どんなスタディーコーナーがいい?

リビング学習の魅力を理解したところで、次に子どもが居つきやすく、勉強に集中できる環境を整えておくことが大事となります。

食事をするダイニングに勉強道具を広げて勉強をすると、勉強が終わっていなくても食事の時間になると勉強道具を片付けなくてはなりませんし、食事をする場所に消しゴムのカスが散らかってしまうという状況は衛生的とはいえません。

また、リビングのローテーブルで勉強をすると身長と机の高さが合わないことで姿勢を悪くしたり、勉強への集中力を維持しにくくなってしまうのです。

リビングやダイニングの一角を利用し、作業カウンターを空間に合わせて造り付けます。子どもが2人並んで勉強できる横幅を設けておくと、兄弟並んで勉強できますし、子ども達の間に親が入って、勉強をチェックできるゆとりある横幅にしておくと圧迫感を一切与えません。カウンターの奥行きも50~60㎝ほど設けておくと、教科書やドリルなどを広げてゆったりと勉強しやすいです。

カウンター下部にはキャスター付き収納を設けておき、ランドセルをおいたり、教科書や学習道具を収納できるようにしておきます。カウンター下にこれらをスッキリと収められるようにしておくことで、リビングやダイニングの一角にスタディーコーナーを設けていても、生活感を与えにくいのです。キャスター付きにすることで、ランドセルなどを出し入れしやすいですし、二階の自室で勉強するようになったときは、自室へ持っていき使用することも可能です。

夜でも勉強がしやすいように手元を照らす照明を設けておき、カウンター上部には2か所コンセントを設けておきます。最近ではタブレット学習も普及しているため、充電しながらオンライン学習を進められますし、スマホを充電したり、電動鉛筆削り器を使用する際にも便利です。

正面の壁紙はマグネット壁紙を取り入れ、大事なプリントや時間割などを磁石で貼り付けられるようにしておくのもいいでしょう。磁石なので、サッと貼りつけたり、とることができますし、壁を汚したり、傷付けてしまうこともありません。

お勉強

まとめ

リビング学習が定着しつつある今、子どもがよりよい環境で勉強をできるようにプランニングしておくことは、家造りにおいては必須といえます。

適度に生活音があるところで勉強することでかえって集中力を鍛えることにつながり、また親が見守りながら安心して勉強が行える環境を設けておくことで、子どもにとっても、親にとっても“気づき”があり、学力の向上だけでなく、楽しみながら勉強に取り組んでいけるのではないでしょうか。

子どもが成長し、使わなくなったとしてもパソコンスペースや、裁縫スペースなど、他の用途としても利用しやすいスペース造りを心がけておくといいでしょう。

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